コロナ禍を越え、ニューヨークで学んだ留学の日々 第1話 外国人への「水平な視線」を得た留学 グローバル?リベラルアーツ学部第1期生 高野好右さん

コロナ禍を越え、ニューヨークで学んだ留学の日々 「グローバル?リベラルアーツ学部第1期生ニューヨーク州立大学留学」

365棋牌游戏_365游戏大厅【下载官网】のグローバル?リベラルアーツ学部(以下、GLA学部)では、世界の課題を解決する人材育成を目標にしています。そのカリキュラムの特徴のひとつは在学中2回の留学を必修としていることです。第1期生は365棋牌游戏_365游戏大厅【下载官网】感染症の収束が見通せない365棋牌游戏_365游戏大厅【下载官网】3(2021)年4月入学し、6月末からのオンライン留学を経て、365棋牌游戏_365游戏大厅【下载官网】4(2022)年2月にリトアニアへの海外スタディ?ツアーに参加。そして365棋牌游戏_365游戏大厅【下载官网】5(2023)年8月には2度目の留学となるニューヨーク州立大学(SUNY)での4カ月の学びへと旅立ちました。本稿では、子どもに関する社会課題を解決することを目指してGLA学部に入学した高野好右さんのSUNY留学の体験記を紹介します。


《イントロダクション》
■ 「英語が通じない」リトアニア研修で体験したショック

高野さんは幼い頃から英会話を学び、中学生の時にオーストラリア、高校生時にはアメリカ?アイオワ州への短期留学を経験した。英語を話すことに抵抗感のなかった高野さんだが、リトアニア研修では初めて「英語が通じない」と感じた。研修中のオンライン取材で高野さんは次のように答えていた。

「リトアニアの年配の方は英語が分からないことに驚きました。昔から『英語圏以外の外国人でも英語で話せばなんとかなる』と思ってきましたが、あまり通じません。書いてある言語もほとんどリトアニア語。若い人には英語は通じますが、年配の方と英語で筆談しようとしても読めない。こちらに向ける視線も『何を言っているんだろう』という感じです。なんとかインスピレーションで乗り切っていますが、英語が通じない世界もあるのだなぁと実感しています」

滞在中、提携するヴィータウタス?マグヌス大学で日本語を学ぶ学生たちとの交流の機会があった。クイズやゲームを楽しんだが、高野さんは、「自分たちが流ちょうに英語を話せないので、現地の学生がコミュニケーションを英語から日本語に切り替えた」というエピソードを語っていた。リトアニア人学生の優しさが表れた場面でもあったが、英語でコミュニケーションできないもどかしさを感じる経験にもなった。

GLA同期生たちとの学び、オンライン留学、そしてリトアニア研修を経験した高野さんは帰国後、「GLAでの学びが充実しているからこそSUNY留学までに英語力を高めたい」と語っていた。GLA学部では日本語で議論している内容を英語で議論できれば、異文化からの多様な視点を得られる。そのためにも専門的な内容に関しても、相手の意図を理解し、自分の意見を言える英語力が必要。そう痛感し、高野さんは2年次の学びに入っていった。


《インタビュー》
■ 自らのテーマにこだわった留学校の選択

リトアニア研修では、自分に歴史や文化に関する知識がないことに驚きました。でも、それを自覚したことで、自分が知りたいことが分かり、興味に沿って2年次からの授業を選択してきました。

2年次の後期からはゼミが始まりました。自分は子どもに関する問題に興味があったのですが、教育に関するゼミがなかったので、マネジメントのゼミを選択しました。卒業後、子どもの問題に取り組む会社に入り企画運営をしたり、将来的に自分で起業したりするとしても、マネジメントの知識は必要だと思ったからです。このゼミも自分が成長できた場のひとつだったと思います。

SUNYへの留学では、7つのカレッジから留学先を選べます。僕は、教育やスポーツの学びが盛んなコートランド校(State University of New York at Cortland)を選びました。コートランドはかなり田舎ですが、自分にとってロケーションはまったく関係なく、その学校は何のジャンルが強いかを優先しました。

365棋牌游戏_365游戏大厅【下载官网】5(2023)年8月末、コートランドに到着後、最初の1週間はインターナショナル?スチューデント(外国からの留学生)を対象とした企画に参加しながら過ごしました。バーベキュー、サッカー、近郊への小旅行など。みんなと遊んでいるうちに、アメリカだけでなく、韓国、フランス、ドイツ、スペインなど、いろんな国の友達ができました。ヨーロッパをはじめ、英語がネイティブではない文化圏の学生と話せたのは、現地で英語を学ぶうえでも結構、大きかったです。

アメリカの大学は9月が新年度のスタートなので、新たにコートランド校に来た学生向けにいろんな企画が用意されているし、みんな新入生でコミュニティーが固まっていない。同期入学という目線でゼロから付き合いを始められて、現地の学生と仲良くなれたのは、GLAの3年次後期にアメリカ留学するメリットだと思います。


■ 聞き直し、質問する壁を越えて得た理解

授業が始まってから最初の1週間は、先生の話す英語のスピードが速いことにびっくりしました。次第に慣れてきたのですが、それでも聞き取れないところはありました。留学生のサポートをしてくれる先生に相談したところ、「分からないことがあれば、担当の先生に聞きに行っても大丈夫だよ」と言われたので、2週目ぐらいからは授業の先生に質問するようにしました。

アメリカの大学では「オフィスアワー」といって、先生が自分の部屋にいて学生が訪ねてもよい時間が明らかになっているので、「この教科書の買い方が分かりません」など小さな質問から始め、次第に授業の内容でも分からないことを質問できるようになりました。

アメリカでは、分からないときに質問したり言葉にしたりしないと、「分かっているんじゃないの?」と思われてしまいます。授業中に手を挙げて、「分かりません」と言えばいいのですが、「お前、そこでつまずくのかよ」と思われるのが嫌だったり、その場の空気に負けてしまったりして聞けないこともありました。

でも、「後から聞きに行けばいいし、それで理解できる」という安心感を得てからは、授業で分からないところがあっても今の内容に集中ができて、めげなくなりました。楽に授業が聞けるようになりましたね。

アメリカ人とのディスカッションでも最初は英語のスピードに慣れるために話を聞き続けることに努めました。分からなければ、もう一度、ゆっくり話してもらう。初めは何度も聞き直していたのが、少しずつ減って、ある時期からは聞き取れるようになりました。最初の頃は、僕が会話を止めてしまうことで、ディスカッションのテンポがずれて、気まずい感じになってしまうこともあり、とても心苦しかったです。

だから、初めの頃は分からなくても質問せずに、間違った解釈をすることもありました。「もう、これはきちんと質問するしかない」と思って質問するようになったのですが、アメリカ人の学生は僕が留学生であることを分かっているので、「第2言語として英語を学んでいるんだから分からなくても当然だよ」という優しい態度で、何度聞いてもしっかり答えてくれました。そのおかげで聞くことに抵抗がなくなっていきました。


■ GLAの学びを活用したマネジメントの授業

履修した授業のひとつで印象深かったのは「アントレプレナーシップ」、起業家の基礎です。GLAでもマネジメントのゼミを取っていましたが、その内容と直結するものでした。架空の新製品を自分たちで企画し、グループごとに売るための手法を考えていきます。授業ごとに先生が財務やマーケティングなどの専門知識を教えてくれるので、その学びで得た視点を生かしながら自分たちの製品について考え、議論していきます。

4人1組のグループワークで、日本人は僕だけ。あとは現地のアメリカ人です。起業やマネジメントについて、アメリカ人と「どうやったら売れるのだろう?」「売るためにはどんな情報が必要だろうか?」とか、議論できたのは面白い体験でした。難しい話をするわけではないですが、日常会話ではアメリカ人と英語でビジネスについて話す機会はないので興味深かったです。

コートランド校の授業ではグループワークもあったけど、GLAでも常に学生を入れ替えながら少人数で議論していたので、アメリカ人の学生とも一緒に学習したり、ディスカッションしたりすることが自然とできました。


■ 未知なる宗教「ユダヤ教」の学びと収穫

ユダヤ教の授業も興味深かったです。日本では、仏教や神道が一般的ですが、キリスト教やイスラム教についてもGLAの宗教文化論で基礎的なことについて学ぶ機会がありました。コートランド校のシラバスを見ているときに、ユダヤ教の授業を見つけました。そういえば、世界でメジャーだけど、自分が学んでいない宗教って何だろうと考えたとき、ユダヤ教が思い浮かびました。アインシュタイン、ホロコースト。自分のなかにあるユダヤ人とユダヤ教への関心にも気付きました。これを逃したら、授業としてユダヤ教を学ぶ機会はない、そしてアメリカで宗教を学ぶとはどんな体験だろうかと思って、ユダヤ教の授業を取りました。

この授業でまず知ったのは、自分がユダヤ教について何も知らないということでした。一緒に授業を受けているアメリカ人学生は基礎的な知識がある。例えば、「ユダヤ教で聖書は何といいますか?」と先生が質問したので、僕は「聖書は Bible(バイブル)じゃないの?」と思いましたが、ある学生は「Torah(トーラー)」と答えました。

自分はそんな基礎的なことも知らないんだと実感しました。授業の後に先生を訪ねて、「ユダヤ教について全然知らない。英語で受けるともっと分からない」と正直に伝えました。先生は、優しいおじいちゃんなのですが、すごく丁寧に教えてくれました。

ユダヤ教には安息日があり、仕事が一切、禁じられています。最初は単なる休みだと思っていましたが、ゲームもダメ、スポーツもダメ、料理もダメ。とても不思議でした。考えてみれば、それが文化です。日本人だって、納豆を食べているときに、「なんで腐った豆を食べるの?」と言われても答えようがありません。だから、ユダヤ人にとって安息日は安息日なのです。

将来、ユダヤ人と一緒に働くようになっても、「彼は今日、安息日だから誘っても遊びに行けない」と理解できるでしょう。アメリカは宗教も多様なので、基礎的な知識を持っている学生も多いし、多様な宗教を学ぶ環境が日本よりも整っているように思いました。日本でも今後、さまざまな宗教を理解する必要が出てくると思うので、ユダヤ教を学べてよかったです。

アントレプレナーシップやユダヤ教のほかには、ジェンダーなどGLAで学んだ内容の授業を中心に取ったので、英語で講義を聞いていても「その内容だったら分かるぞ!」と理解できる場面が多かったですね。コートランド校での授業を受けてみて、GLAが取り上げていた内容はアメリカの大学でも通じるものだと実感しました。


■ 適切な距離を探るコミュニケーション術

今回の留学中に、イスラエルとハマス(パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織)の武力衝突が起きました。その直後のユダヤ教の授業で、先生が現地の状況を説明した後に学生からの質問を受け付けました。僕は、悲惨な状況の今、ユダヤ人の先生に質問してよいものかと思い、黙っていました。すると他の学生が「なぜ、ハマスはこういう選択をしたのか?」「ガザで、なんでこんなことが起きるのか?」と質問し始めたのです。

学生を見ていると、ユダヤ人である先生に気を使って冷静に言葉を選びながら質問をしている。自分の知りたいことは知るべきだし、授業でそこを変に抑え込む必要はない。「繊細な問題だから深掘りしない方がいい」と思い込んで黙るのではなく、気を使いながらも質問はする。機会を逃さずに聞きたいことをきちんと聞くこと。それが学びを深めることにつながっていることを、その授業で学びました。


■ 自分の位置を確認できたSUNYでの日々

GLAへの入学当初、SUNYへの留学は3年次前期までに得た知識をアメリカの大学で向上させるのが目的だと思っていました。あとはとにかく英語の環境で学んで、英語力の向上を図ろうという意識でした。でも、実際に来てみると、知識を増やすよりも、自分がこれまで得た知識は世界に通じるのか、英語は通じるのかという確認や確信を得るための留学だと気付きました。

他国の学生と話をするなかで、自分の知識が足りていないことに気付くことがあります。でも、自分が知っていることを話して感心されれば、その内容については知識があることを確認できる。だからSUNYへの留学は、頑張って知識や英語を伸ばす留学ではなく、自分がちゃんと成長してきたかを確認することが大切だと思いました。


■ 違いよりも共通点を感じた異文化体験

授業は月曜日から木曜日までで、金曜日から日曜日をオフにしました。授業の合間は課題をやったり、寮の部屋で休んだりしていました。テニスクラブにも入ったので、タイミングが合えばテニスをして体を動かしました。

週末は主に留学生の友人と一緒に過ごすことが多かったですね。基本的にはカフェテリアで食事をするミールプランを利用するので食費の心配はありませんが、週末に街のレストランで食事をしようとすると金額の高さに驚きました。特に日本食は手が出ないぐらい高いですね。韓国人の友人と食事をして、「全然辛くなくて、おいしいよ」と勧められた韓国料理が激辛で、「一生、許さんからな!」と言って、大笑いしたこともありました。

友人になった20歳そこそこの男たちは、国や文化を問わず、ふざけた遊びと冗談を言いながら楽しく過ごすのが大好きです。アメリカの大学は勉強が厳しいから真面目な学生ばかりだったらどうしようと思っていたけど、みんなでサッカーやって、「メシ行こうぜ!」「アメリカのマック、すげー!」と言っている自分たちは何も変わりませんでした。

もちろん、人によっても違います。たまたま、僕の周りにスポーツが好きで、ばかげたことが好きな連中が集まったのかもしれません。でも、どこの国にも、真面目な人もいれば、危ない奴もいる。程度の差こそあれ、それはどこの国でも当たり前のことで普段は意識もしないのに、アメリカに留学するからといって、「日本は他の国とは違う、日本人は外国人とは違う」と強く思い込んでいた自分がいたことに気付きました。留学後は、相手が違っていたとしても、その違いに萎縮するのではなく、違いを受け止められるようになったと言えます。

SUNY留学を通じて、日本人である自分と外国の人々を水平に見られるようになったのだと思います。

留学前、日本にいた時も外国人であってもあまり意識せず話せていたと思っていましたが、それはあくまで日本に住む外国人に対してでした。海外で日本語も日本文化もまったく知らない外国人に会うと「うわぁ、外国人だ!」と引いてしまう意識が心の奥底にあったと思います。

でも留学を通して、アメリカ人はもちろん、フランス人や韓国人など、いろんな国の友達がたくさんできました。「なんだ、こいつらも、すごい部分もあれば、変わらない部分もある」と思えた。もちろん文化の違いはあります。でも文化がすべてじゃないし、変わらないものもある。広い世界のなかで、まったく違う場所と文化で育ってきたのに変わらない部分もある。そのことに気付けたのはよかったです。その気付きによって、GLAのクラスメイトと話すのと同じ感覚で、外国人とも自然に話して、聞くことができるようになりました。

GLAでの2回の留学というのも大きかったかもしれません。1回目のリトアニア研修は初めてのヨーロッパで、英語が通じないことをはじめ「違い」を痛感しました。その後、2年次から3年次前期の1年半は海外には出ていないので、SUNY留学に向かうにつれて、「アメリカにも自分には理解できないようなことがあるんじゃないか」と強く意識するようになりました。でも、実際にコートランド校で学んでみると、「違いもあるけど変わらないところもある」と感じられました。そう意識が変わったことで、落ち着いた心で人に接することもできたし、よい距離感がつかめたと思います。


■ 英語力の上達「ニューヨーカーを探せ!」

外国人と自分を水平に見られるようになってからは英語の話し方にも変化が表れました。分からないことがあれば、普通に「これなんだっけ?」と英語で聞ける。友達に伝えたいことがあれば、知っている単語でとにかくしゃべる。話すことに抵抗がなくなりました。

リトアニアでは、とにかく正確な英語を話さないといけないと思い過ぎて、結局、何も言えないことが多かった。アメリカに来てからは、ちょっと間違っていても、どんどん話をしていけるようになった。大きな変化だと思います。

留学前のGLAの授業では、「アメリカでは積極性が大切なので学生はとにかく手を挙げる」とある先生が言っていました。一般的な日本の学生は分かりませんが、GLAの学生はかなり積極的でしたから、コートランド校の学生とあまり変わらないと思います。それと、僕は話すこと自体が好きだからかもしれませんが、積極性の部分では差異はあまり感じませんでしたね。

英語力はリスニングやスピーキングが伸びたと思います。留学当初の1週間はアメリカ人が話すスピードについていけなくて、「もう1回言って」を繰り返していましたが、帰国前になると買い物をしていて店員さんがボソッと言ったことも理解でき、「OK! OK!」と答えられるようになりました。英語を聞き取り、すぐに反応して言葉を発する能力は高まったと思います。

すべての授業が終わってから帰国までの間に少し時間があったので、初めてニューヨークシティに行きました。行きたい場所があったのでスマホで駅名までは検索できたのですが、最寄りの駅から目的の駅に行くには何番線のどこ行きの電車に乗ればいいか、スマホはそこまで教えてくれません。

そこで、ホームにいるいろんな人に「ここに行きたいんだけど」と聞いて回りました。「観光客だから分からない」と何人かに断られても諦めずに、「ニューヨーカー! ニューヨーカー! 地元の人、来て!」と大声で呼び掛けたら、実際に来てくれて優しく教えてくれました。留学当初だったら、そんなこと怖くてできずに、ずっとスマホとにらめっこしていたと思いますね。


■ 他国の友人から感じた子どもを取り巻く状況の違い

僕は子どもに関する課題を解決したいという目標を持ってGLAに入学しました。今回のSUNY留学では専門的なことを学んだり、施設などを訪問したりする機会はありませんでした。でも、大学で一緒に学ぶアメリカ人やいろいろな国の学生と仲良くなるなかで、就学率、貧富の格差、治安など、子どもが置かれている境遇が日本とは必ずしも同じではないことは理解できました。感覚的にですが、「学校に行く」という重みが国によって違うと思います。

友達になった韓国人は2年間の兵役を経験していました。普段の会話のなかで、「軍隊ではこんな訓練もあったよ」という言葉が自然に出てくる。最初は聞き間違えたのかと思いました。僕らがなんの疑いもなく大学に通っている時に、同い歳の韓国人は軍隊で訓練をしている。でも彼らにとっては当たり前のことだから当たり前に話す。それぞれの国の当たり前があるから、子どもの課題に関しても、それぞれの国でやるべきことがあるのだと思いました。

アメリカに対する見方も留学を通じて変わりました。アメリカは最も栄えていて、最先端で、世界の中心というイメージを抱いていました。実際に生活してみると、成功しているのは経済や軍事だけという認識に変わりました。

アメリカは決して「平和でみんなが笑っている国」ではありません。世界の中心と思っていたアメリカにも笑っていない子がいました。それは日本も同じです。苦しんでいる子がいるのはアフリカだけじゃない。世界中のどこにでも笑っていない子がいる。アメリカのように、どんなに国が経済的に発展していようと、苦しい状況に置かれている子はたくさんいると気付けました。真の意味での平和には、まだ道半ばだとアメリカで学んでみて強く感じました。


■ SUNYで見いだした海外で働く可能性

大学卒業後は、やはり子どもの課題に取り組む企業や団体に就職したいと考えています。教育には限定せずに、どんなアプローチが可能かを探っています。また、就職活動を進めながら、TOEICの検定試験を受け、小学校で英語を指導できる資格「J-SHINE」を取得する勉強をしています。GLAでの学び、SUNY留学、英語が話せること、加えて、小学生に英語を教える資格を持っていれば、自分が志望する業界では、よりアドバンテージになると考えたからです。

SUNYに留学したおかげで、海外で生活して、英語で仕事をすることも可能だと確認できました。海外派遣への恐怖心がなくなったことは留学の大きな収穫であり、将来きっと生かせると思います。まずは、日本で就職活動をしますが、海外の拠点やプロジェクトへ派遣されても問題ないので、そこはアピールしていきます。

海外でもっと学びたいという気持ちはあります。正直、コートランド校であと半年、学びたいと思いましたが、GLAを卒業することが優先なので諦めました。卒業後は、まずは仕事をして、生活の基盤を築いて自活することを目指します。そのうえで、もう一度、やりたい勉強をするために留学をするという選択肢はあります。日本の感覚だと20代半ばぐらいまでが留学で学ぶ年齢だと思いがちですが、アメリカでは幅広い年代の学生が学んでいます。SUNYに留学して、いくつになっても学んでいいんだと思うようになりました。


■ GLAでの成果を「理想の自分」へつなげたい

高校時代の自分は、英語も好きだったし、海外へ短期留学もしましたが、国際問題や世界の歴史については何も知りませんでした。でも、GLAに入って、世界のことを学び、2回の留学を経験したことで、世界の情勢についてのニュースを見ても、その背景にあることを推察できるようになりました。高校生の時とはまったく違う考え方を持っていると思います。

将来、理想の世界を実現する一員となっていたいと思います。ひとりの人材として、理想の世界を実現するために何か残せればいい。名前が残らなくていい。命の恩人とも思ってもらえなくてもいい。でも何か、「小さな幸せをくれた人」と言ってもらえるような人になれればと思います。

GLAを卒業した後には、学生という「学ぶ側」ではなく、社会人として「動く側」になります。実際に動いてみないと分からないことはたくさんあると思いますが、自分の理想を大切にしながら働いていきたいと思います。(了)

高野さんのリトアニア留学体験記 /memorial/future/06/interview_06_2.html

365棋牌游戏_365游戏大厅【下载官网】グローバル?リベラルアーツ学部SUNY留学 /kuis/main/faculties/gla/gla_suny/



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写真撮影:塩澤秀樹
取材?文:山口剛

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