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ビジネス系学科合同セミナー「日本航空株式会社 業務企画職 東原祥匡さん」

2022.10.31

毎回さまざまな特別講師をお招きするビジネス系学科合同セミナー。今回は日本航空株式会社(JAL)の東原祥匡さんにお越しいただきました。ワーケーションの導入やLGBTQの理解促進など、社員全員が活躍できる職場を目指してきた道のりを軸に働くことに対する考えを伺いました。

(講師紹介)
東原祥匡(ひがしはら よしまさ)さん:日本航空株式会社 デジタルイノベーション本部 事業創造戦略部MaaS※グループ アシスタントマネジャー。2007年日本航空株式会社入社。空港業務や客室乗務員の業務を経験後、2010年より客室乗務員の人事、採用等を担当。2015年より2年間の社外出向を経て、2017年より人財本部にて社員一人一人が活躍できるための制度や環境整備を担当。2022年よりデジタルイノベーション本部にて地域の交通課題の解決を目的としたMaaS事業を担当。

※MaaS(マース:Mobility as a Service)…地域住民や旅行者一人一人の移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索?予約?決済等を一括で行うサービスのこと。

▲たとえそのときに周囲から理解が得られなかったとしても、「この活動は絶対に社員や社会のためになる」と信じ行動を続けた東原さん。気づけばこの取り組みが社外からも注目されるように。

社員一人一人が活躍するために、世の中に先駆けた取り組みをしてきたJAL。ワーケーション制度※の導入はその一つですが、当初社内からは反対の声も。そこで東原さんは自身が体験したメリットを社内に共有し、自治体と連携したモニター体験者を社内公募することで、社員が手をあげやすい環境を整えたそうです。その結果、今では多くの社員がこの制度で各地域の支援をしながら、自身のキャリアの幅を広げています。

※ワーケーション制度…ワークとバケーションの造語。JALにおいては、休暇中にテレワーク業務を認める制度で2017年にこの制度をいちはやく導入。

▲東原さんは業界に先駆け「Ladies and gentlemen」というおなじみの機内アナウンスを「Hello, everyone」といったジェンダーニュートラルな表現に変更。自分にとっての当たり前は誰かにとっての当たり前ではないかもしれません。

社内外問わずLGBTQ※の理解促進にも努めてきた東原さん。職場においてカミングアウトは強制するものではありませんが、実際に自身がしたいと感じていたとしても、できていない当事者もいまだに多いのが現実です。社内制度の見直しや理解促進イベントの企画に取り組んだ結果、各社員が自身の担当する業務において「LGBTQの観点からこの表現は問題ないか」という問い合わせが各部署から増えてきたそうです。2019年には日本初のJAL LGBT ALLYチャーター便を運航し、乗客からは「機内ではじめてパートナーと堂々と手をつなぐことができた」という心温まるエピソードも。JALだからこそできたこの取り組みは当時世間の注目を集めました。

※LGBTQ…Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつ。

―東原さんより―

「皆さんにはぜひ『あなただけの+α』を深めていただきたいです。社員もお客さまも誰一人同じ人間はいません。一人一人の感性や経験を活かすことは、さまざまなお客さまの真のニーズをキャッチすることに繋がります。そのためには社内外にアンテナをはり、あらゆることに興味をもつことが大切です。そして最終的には『この会社にいたから、今まで幸せに生きてこられたな』と思えるように、自分の想いを自分の言葉で伝えられる人になってくださいね」

セミナーの終了後も東原さんのもとには多くの学生が質問のために詰めかけます。彼らからは「より良い社会にするために自分がどう行動するべきかを今後考えていきたいです」という前向きな声も。東原さんが社員と社会のために尽力してきた道のりは学生たちの意識に変化を与えたようです。「社員全員が自分らしく幸せに働く」ということ。それこそが私たち一人一人が目指していくべき、真のダイバーシティーなのかもしれません。

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